底は深く湿ってた
月はいつでも丸くて
そっと無知で守られて
ゆえに知らずに浸かってた
今まさに聴こえていた君の声さえも無視した
果てなく広い意味に有無も言えず惑わされた あの日
巧く言えないが如何にして意図を掴むか
だから、単純な言葉だけがずっと突き刺さる
故意な遊びに合わせた
子供じみていて笑えた
更にとどまる訳など無く
言う程未練などなかった
あと少しで、辿り着くから、もう少しで、待っていて
今更証しなんて風前の灯より頼りない
忽然と綻び逝く不意の心細さに陥った あの日
吐き出しかけて痛い程長い沈黙の後に
軽快に飛び舞う影にふっと魅せられた
それは 飛び跳ねる 夢だった
そして 最後の 夢だった
されど 浅い 夢だった
月に 届く はずだった